軌道エレベーターはもうSFではないらしい
「軌道エレベーター―宇宙へ架ける橋」(石原 藤夫,金子 隆一)読了。
ハヤカワ・ノンフィクション文庫が新しくなったと聞いて。
軌道エレベーター―宇宙へ架ける橋 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: 石原藤夫,金子隆一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/07/05
- メディア: 文庫
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目次
1. 軌道エレベータ登場す!
1.1 ロケットには限界がある
1.2 それは極端に細長い人工衛星だ!
1.3 軌道エレベータの起源とSF界への進出2. 軌道エレベータのテクノロジー
2.1 どんな材料が必要か?
2.2 どんな方法で建造するのか?
2.3 どうやって安定させるのか?3. 軌道エレベータの新展開
3.1 地球以外の惑星ではどうなるのか?
3.2 月と地球を結ぶ方法がある!
3.3 静止軌道をもちいないアイディア対談
おわりに
参考文献
索引
軌道エレベーターの入門書。スカイフックやオービタルリングの構想なんかもしっかり説明してあって、「軌道エレベーター?なにそれおいしいの?」という方もご安心。
最近はガンダム00なんかにも出てきたので、記憶に新しい軌道エレベーターだけど、そもそもなんでこんなにSFに取り上げられてきたのかなーというのを少し考えたことがあった。まあ、一言で言うと、軌道エレベーターというのはなんらかの「象徴」として扱いやすいのではないかな、と思っていた。
つまり、大きな建築物というのは、古来より力の象徴なわけで、ピラミッドしかり、大聖堂しかり、古墳とかも。で、何の象徴になるのか、というのはケースバイケースだけれども、まず技術、次に権力、あと宗教とか?そういったものの力を視覚的に見せる上で便利なもの。その点、軌道エレベーターは宇宙まで突き抜けているから、そこら辺の建築物なんか目じゃないわけだ。これにプラス「宇宙に行ける」という実用面と、なんかメカメカしている感じとで、一躍SFのなかでは大人気!!ということだったのだと。そう思っていた。
しかし、本書を読むと、軌道エレベーターというのは、技術的な面に関して言えば、数十年程度で完成できる射程に入っていて、かつ人類が宇宙へ進出する上でかなりスマートな手法であることが分かる。まさに、「人が想像できることは、必ず人が実現できる」という感じ。
そういえば、テラフォーミングっていうのはもうちょっと先の技術だと思うんだけど、この本みたいにノンフィクションな本はないのかなーなどと思った。
おまけ↓