軌道エレベーターはもうSFではないらしい

軌道エレベーター―宇宙へ架ける橋」(石原 藤夫,金子 隆一)読了。
ハヤカワ・ノンフィクション文庫が新しくなったと聞いて。

目次
1. 軌道エレベータ登場す!
 1.1 ロケットには限界がある
 1.2 それは極端に細長い人工衛星だ!
 1.3 軌道エレベータの起源とSF界への進出

2. 軌道エレベータのテクノロジー
 2.1 どんな材料が必要か?
 2.2 どんな方法で建造するのか?
 2.3 どうやって安定させるのか?

3. 軌道エレベータの新展開
 3.1 地球以外の惑星ではどうなるのか?
 3.2 月と地球を結ぶ方法がある!
 3.3 静止軌道をもちいないアイディア

対談
おわりに
参考文献
索引

 軌道エレベーターの入門書。スカイフックやオービタルリングの構想なんかもしっかり説明してあって、「軌道エレベーター?なにそれおいしいの?」という方もご安心。
 最近はガンダム00なんかにも出てきたので、記憶に新しい軌道エレベーターだけど、そもそもなんでこんなにSFに取り上げられてきたのかなーというのを少し考えたことがあった。まあ、一言で言うと、軌道エレベーターというのはなんらかの「象徴」として扱いやすいのではないかな、と思っていた。
 つまり、大きな建築物というのは、古来より力の象徴なわけで、ピラミッドしかり、大聖堂しかり、古墳とかも。で、何の象徴になるのか、というのはケースバイケースだけれども、まず技術、次に権力、あと宗教とか?そういったものの力を視覚的に見せる上で便利なもの。その点、軌道エレベーターは宇宙まで突き抜けているから、そこら辺の建築物なんか目じゃないわけだ。これにプラス「宇宙に行ける」という実用面と、なんかメカメカしている感じとで、一躍SFのなかでは大人気!!ということだったのだと。そう思っていた。
 しかし、本書を読むと、軌道エレベーターというのは、技術的な面に関して言えば、数十年程度で完成できる射程に入っていて、かつ人類が宇宙へ進出する上でかなりスマートな手法であることが分かる。まさに、「人が想像できることは、必ず人が実現できる」という感じ。
 そういえば、テラフォーミングっていうのはもうちょっと先の技術だと思うんだけど、この本みたいにノンフィクションな本はないのかなーなどと思った。
おまけ↓
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