さようなら、いままで魚をありがとう

さようなら、いままで魚をありがとう」(ダグラス・アダムス)読了。
銀河ヒッチハイクガイドシリーズ第4弾!

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)

 以下、ネタばれは……あまりなし。なんと今回は、ラヴストーリー!最後に訳者がばらしているけど、執筆当時、作者のダグラス・アダムスも恋愛中だったのだとか。そうか、最近恋愛小説とか読んでなかったなーなどと感慨深い。
 さて、シリーズのなかの一冊としては、もうかなり読みやすい。メインがラヴストーリーだし、SF要素控えめだし、ラストもきれいにおちているし、いつもの意味不明具合が抑えめ。「カラマーゾフの兄弟」より「罪と罰」のほうが読みやすい。「壁」より「砂の女」のほうが読みやすい。そんな感じ。いや違うかも。
 逆に言えば、少し物足りなさを感じるけど、まあこれくらいが読みやすいような気もする。3作目で疲れてしまった人も自信を持って手にとってもいいと思う。アーサーの気持ちになって。
 ふと、思ったのだけど、毎日の日記を「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズのように書けたら面白いかもしれない。というか、それは明らかに日記ではないけど、そうしたら、たぶん毎日が楽しいと思うのだ。そう思うぐらい、このシリーズは読んでいるときのテンションが高くなる。ふしぎだ。さて、例によって意味ありげに引用して締めにしよう。

「これでも男と言えるのか。お茶のほかには、やたらに抽象的な生命の問題にしか興味がないのか。なんの情熱もないのか。早い話、こいつはセックスをしないのか」
その答えを知りたい人は、このまま続きを読んでいただきたい。そうでない人は、途中は飛ばして最終章を読もう。面白いし、マーヴィンも出てくるから。