土木に触れる

土木の分野に来て初めて気づいたこと。
建物を造るとき土にいろいろ操作を加えること。ざっくりいえば、土を掘って基礎(地中の柱みたいなもの)をいれるだけじゃダメだってこと。
あたりまえ?
でも、僕にとってはそうではなかった。
 80年代も終わりに都市で生まれ、都市で育った僕は工事現場を見てこなかった。工事と言えばほとんどは維持・管理のためのもので、下水工事だったり、電線工事(?)だったりであった。ビルやマンションの工事はあるけど、それらは安全のために分厚い板と膜で覆われている。別に、それらが悪いと言うのではない。破片が飛んできて怪我でもしたら、土木分野に来ることはなかっただろう。
 これは想像だけど、僕よりも年配の方々は「土木に触れる」経験が豊富だったのでは、と思う。そもそも新規事業の数が多かっただろうし、安全を意図したバリケードはもっと薄かったと思う。彼らは大きな工事を間近で見たり、工事現場で遊んだりしたんじゃないかな。
 さて、このような論調は環境分野ではよく見られる。こどもが自然に触れるきっかけを失ってきている、まずい、という感じで。土木の分野では見たことがない。まあ、あまり問題ではないのだろう。土木は仕事だし、万人が触れる必要のあることでもないと思う。昔は女人禁制だったらしいし。
 でも、こどもの頃もっと「土木に触れて」いたら、そのとき気づけたことは、たくさんあったんじゃないかと思う。上に書いたようなことも含めて。うん、言いたかったこと、これだけ。別に社会科見学を増やせとか、こどもに土木に触れるきっかけをつくれとか、そういう主張は一切ない。ただ、今の若者は土木工事とかあまり見てこなかったと思う、っていう話。土木の話なのに建設的じゃないな・・・