流れる土砂。流される僕。

 日光に行ってきた。冬に行くか普通?雪降ってたし・・・

 日光と言えばもちろん、そう、砂防ですね!砂防っていうのは、土砂流出とか、地滑りとかを防ぐ事業のこと。この地域は本当に砂防事業が多い。

 昔、この辺の砂防施設の見学に行ったときのことは、今でも思い出せる。砂防事業の監督は僕にこう言った。
「砂防事業はね、一度堰堤を造ると、その堰堤の維持のために上流に堰堤を造る、その堰堤の維持のためにまた堰堤を造る。だから、仕事がなくならないんだよ」
仕事、なくなりませんですか。そうですか。
誰のお金でやってるんでしょうか?
住民はその事業を本当に必要としているんでしょうか?
その事業で失われる環境があるんじゃないでしょうか?
という疑問を飲み込んで、技術的な質問をした。今悔やんでも遅い。

 監督がああ言ったのも、わかる。理屈としてもいくつか考えつくけど、それは書かない。そうじゃなくて、感情よりの話。土木分野で仕事をすれば、仕事と、僕が飲み込んだ質問は対立することになる。少なくとも、今の状況では。誰も、自分がやっている仕事が無駄なものだとは思いたくない。問題はたくさんあるけど、気付かないふりをする。いつか抱いていた疑問も「そういうものだ」と割り切ってしまう。というか、そうでないとやっていられないのだろう。正直、状況に流されやすい僕が、彼のようにならない保証などない。


いつでも原点に返れるように、ここに書いておく。