英語を訳しても、意味なんか理解できない。[続日本人の英語]
「続 日本人の英語」(マーク・ピーターセン)読了。
もちろん、日本人の英語 (岩波新書)の続編。
- 作者: マークピーターセン,Mark Petersen
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/09/20
- メディア: 新書
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英語と日本語とは、存在がまったく別々で、互いに何の関係もないものであるので、英語の本当の意味を掴むには、それを英語として理解する必要がある
太字は原文ママ。
英語を英語として理解する、とは言うのは容易いが、行うことは困難を極める。なぜなら、英語を日本語で理解することには、短期的なメリットがあるからだ。英英辞典*1を引くよりも、英和辞典を引いたほうが、その場の理解は速い。慣れないうちは、英語で考えてしゃべるよりも、日本語で考えて訳出していくほうが現実的な対応だったりする*2。
しかし、英語を日本語の訳として理解したままでは、いつまでたっても英語を理解することはできない。理解できたような気になっても、それは英語ではなく、日本語の英訳だ。なるほど。まさに「日本人の英語」じゃないか。
英語を訳出すれば、その単語、文、文章、文脈が持つ意味が次々と失われてしまう。これを防ぐには、本著がそうしているように、意味をすべて抽出し、イメージを再構築して、数倍の言葉を費やさなければならない。否、それでも伝わるかどうか。現に、双方の言語に深く精通している著者でさえも「完全には伝わらないのでは」と言う文章もある。
最終的に、英語を英語として理解するには、英語で読んで、英語で聞いて、英語で話して、英語で書くしかない*3。ただ、英語を英語として、しかし日本語で理解しておくだけでも、だいぶ楽になる。そういった意味で、ネイティヴスピーカーが日本語で書いた本著の価値は大きい。
蛇足だけど、if節のなかでwillが使えない、というのは嘘だそうで。どうして誰も教えてくれなかったの?そして、この問題に対する著者の指摘も鋭い。