本屋の「環境問題」コーナーを見て思うこと
僕は駅前の本屋に行くと、まずハードカバー新刊を眺めて、文庫新刊をいくつか捲って、新書のタイトルを斜め読みする。そして、科学→土木→プログラミング→科学系雑誌みたいな順で徘徊する。やがて、棚に並ぶ言葉が理系よりから文系よりに変わる、その節目あたりにそのコーナーは登場する。「環境問題」だ。
どうも「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」が話題になり始めたあたりから、環境問題「懐疑派」的な本が増えたような気がする。これが悪いことかというと、難しいところだ。これまでの環境問題には感情先行の部分が大きかったし、定量的・定性的な議論が抜け落ちているところも多かった。そこら辺を抜きにして「環境問題」というストーリーに惑わされている人も少なくなかった*1。
しかし、最近の本屋の「環境問題」棚は少しおかしい。別に本屋の並べ方がおかしいと言いたいのではない。どうおかしいかと言うと、「環境問題肯定派」みたいな本と、「環境問題否定派」みたいな本で二分できる*2ことだ。いや、もちろん多様な意見があって然るべきだし、どちらか一方の本しかないのも問題だ。ただ、おかしいと思うのは、あたかも「環境問題」という大きな問題が1つあって、議論が2つの陣営に分かれているかのように見えるところだ。つまり、環境問題を煽っている(正方向にも負方向にも)本が多いということ。「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている」とか「地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか」とかどうにかしてほしい。
強い否定や煽りは確かに読者を取り込みやすいのだろうけど、そういった本は問題の本質に届いていない。環境問題を二元論で語ろうとすることがそもそもおかしい。問題は極めて複雑*3なのだから、安易に結論を下すことは避けるべきだ。もっと中立的に、もっと冷静に議論するべきだ。
個人的に、「環境問題」を読むなら、という本を紹介。どの本も細かい所に議論を吹っ掛ければいくらでも問題点は出てくるのだけれど・・・
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地球温暖化の予測は「正しい」か?―不確かな未来に科学が挑む(DOJIN選書20)
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