環境

日本の土木地理

「日本の土木地理―国土への理解と認識のために」(土木学会編)読了.ローカルさがどんなところに表れてくるか?日本の土木地理―国土への理解と認識のために (1974年)作者: 土木学会出版社/メーカー: 森北出版発売日: 1974メディア: ? クリック: 5回この商品…

ミミズが干からびても,アスファルトを呪うべきではない

http://d.hatena.ne.jp/chigui/20120127/1327659538赤亀さんのエントリにコメント書いてたら勝手に長くなってしまったので,トラックバックにします.オモシロイ読み方&力作エントリですね.『土の文明史』は読んでないですが……そうなんですよ.土は忘れら…

人と森の物語

「人と森の物語 −日本人と都市林」(池内紀)読了。意外なところから出てきた、新しい「都市林」の概念。人と森の物語 ―日本人と都市林 (集英社新書)作者: 池内紀出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/07/15メディア: 新書購入: 1人 クリック: 3回この商品を…

日本の水制

「日本の水制」(山本晃一)読了。「水制」の現代的な意味とはなんだろうか?日本の水制作者: 山本晃一出版社/メーカー: 山海堂発売日: 1996/01メディア: ハードカバー クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 目次 第1章 水制技術のあゆみ 第2章 …

漸減する風土

「風土」(和辻哲郎)読了。風土の占める割合は、どんどん小さくなっている。風土―人間学的考察 (岩波文庫)作者: 和辻哲郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1979/05/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 81回この商品を含むブログ (63件) を見る 目次 第1…

日本の河川

「日本の河川」(小出博)読了。1本1本の河川について知識を学び,これを整理するより外に方法がない。日本の河川―自然史と社会史作者: 小出博出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 1970/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 小出博さ…

環境ベンチャーの説明会に行ってきた

日系企業が採用活動を軒並み延期するなか、環境ベンチャーの説明会に行ってきた。環境ベンチャーというと、たいてい「環境×IT」であるが、今回行ってきた企業は環境技術がメインである。 なぜ環境ベンチャーは林立しないのか? これだけ環境ビジネスのチャン…

多自然型川づくりを越えて

「多自然型川づくりを越えて」(吉川勝秀 編著)読了。環境対策は、常に個別の文脈に沿う必要がある。多自然型川づくりを越えて作者: 吉川勝秀,吉村伸一,妹尾優二出版社/メーカー: 学芸出版社発売日: 2007/04/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) …

川のHの条件

「川のHの条件−陸水生態学からの提言」読了。魚の「すむ」川と「すめる」川との違い。川のHの条件―陸水生態学からの提言作者: 森下郁子,森下依理子,森下雅子出版社/メーカー: 山海堂発売日: 2000/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る もち…

ムサシトミヨの棲む川は

ムサシトミヨの生息地に行ってきた。名前の通り、武蔵の国にしか生息しないトゲウオのなかま。 珍しいいきものだ。詳しくは知らないが、野生の個体群ってここにしかいないんじゃないか? 生息地は元荒川という河川。実は、元荒川は名前の通り、以前の荒川の…

都市河川×急流

神戸は住吉川に行ってまいりました。 第一印象は、あまり良くない。護岸は三面コンクリート張り時代の名残を引きずっているし、急流ゆえにところどころの落差も大きい。そんな都市河川である。 急流の都市河川というのはほとんど見たことがなくて、東京の神…

多自然川づくりを「見る」

多摩川の支流のひとつ、平井川に行ってきた。 [,w550,h400] あれ? [,w550,h400] ?・・・!! どうやら、下流から上流に遡ると、河川改修のやり方が異なる。これはおそらく、多自然型川づくりと多自然川づくりの違いだ。 多自然型川づくりというのは、1991…

生命の川

「生命の川」(サンドラ・ポステル,ブライアン・リクター)読了。河川環境評価の切り口をどこに持ってくるか?生命の川作者: サンドラポステル,ブライアンリクター,Sandra Postel,Brian Richter,山岸哲,辻本哲郎出版社/メーカー: 新樹社発売日: 2006/03メデ…

都市河川巡り

ここのところ、都市河川巡りをしていた。「都市河川」というものに明確な定義はないと思うのだけど、イメージとしては、都市のなかを流れていて、人が水面まで降りていけないようなものだろうか。 写真は目黒川。それはお花見というのではないか?いや、都市…

鯨捕りよ、語れ!

「鯨捕りよ、語れ!」(C.W.ニコル)読了。「食べる」という体験が思想を産む。鯨捕りよ、語れ!作者: C.W.ニコル,森洋子,栗原紀子出版社/メーカー: アートデイズ発売日: 2007/07/01メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (5件) を見る 目次 …

「生態系サービス」の概念ができた理由

「生態系サービス」で検索して来られる方が多いので、自分の知識としてまとめておくためにも、エントリにしておくことにする。 生態系サービスとはなにか? これは別に難しくない。一言で言えば、人間が、生態系から得ている利益のこと。具体的には、森から…

「対立」の影響力

風力発電の事業に関わっている方とお会いした。最近は、風力発電は追い風だと思っていたが、そうでもないようだ。特に、いわゆる低周波問題というやつはやっかいな問題らしい。 グローバルな環境問題と、ローカルな環境問題との衝突 これは、グローバルな環…

水ビジネスに挑む

「水ビジネスに挑む」(吉村和就・沖大幹)読了。水問題の危機感を煽るのではなく「なにが必要か」を考える。日本人が知らない巨大市場 水ビジネスに挑む ~日本の技術が世界に飛び出す!作者: 吉村和就,沖大幹出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2009/11/11…

ダム撤去

「ダム撤去」(科学・経済・環境のためのハインツセンター)読了。ダム撤去先進国アメリカは、いかに「決定」してきたのか?ダム撤去作者: 科学・経済・環境のためのハインツセンター,青山己織出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/02/15メディア: 単行本 …

なぜ定量的評価が必要なのか?[生物多様性オフセット]

先日、国連大学で行われたシンポジウム「生物多様性オフセットと生態適応」の動画がアップされた。個別の生物多様性オフセットの事例とかが聞けて、興味深い。 2010 International Symposium on Biodiversity Offset and Ecosystem Adaptation 生物多様性オ…

母なるメコン、その豊かさを蝕む開発

「母なるメコン、その豊かさを蝕む開発」(リスベス・スルイター)読了。以下、「開発か環境か」禁止。母なるメコン、その豊かさを蝕む開発作者: リスベススルイター,Liesbeth Sluiter,柿崎一郎,中野亜里,高橋宏明出版社/メーカー: めこん発売日: 1999/05メ…

ダム下流生態系

「ダム下流生態系」(池淵周一ほか)読了。ダムの環境問題は「どこで」起きているのか?ダム下流生態系 (ダムと環境の科学1)作者: 池淵周一出版社/メーカー: 京都大学学術出版会発売日: 2009/12/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブ…

天然アユが育つ川

「天然アユが育つ川」(高橋勇夫)読了。アユがいる川よりも、アユが育つ川でなくては。天然アユが育つ川作者: 高橋勇夫出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2009/07/31メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を…

ありふれた昔話

昔話をするにはまだ若すぎるけれど、急に書きたくなったので書いておく。とっても感情的な話。 友人が聞いてきた話は単純なものだった。区画整理事業に伴っバイパスが造られる。湧き水の出る崖線と直行するかたちで。中学生のころ、生物採集に熱心だった僕た…

川と海

「川と海」(宇野木早苗ほか)読了。先に気づくのはいつも、下流の人々だ。川と海作者: 宇野木早苗,山本民次,清野聡子出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2008/06/17メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る 目次 第I部 総論 第1章 地球表面…

環境問題はTOCで捉えるとシンプル[The Goal]

「The Goal 企業の究極の目的とは何か」(エリヤフ・ゴールドラット)読了。問題解決には「型」がある。ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2001/05/18メディア: ペーパ…

渓流生態砂防学

「渓流生態砂防学」(太田猛彦・高橋剛一郎 編)読了。砂防事業から渓流事業へ。渓流生態砂防学作者: 太田猛彦,高橋剛一郎出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 1999/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 目次 0 はじめに 0.1 環境保全…

環境に手を加えたあとの感想

今日はしばらく訪れていなかったフィールドを訪れた。変わっていた。変わっているのは当然だ。人の手を加えているのだから。しかし、今日は、雑木林の質的な変化のようなものを見た。 変化量として見るなら、木を切り倒したり、草を刈ったときや、小さな堰堤…

アジアの流域水問題

「アジアの流域水問題」(砂田憲吾ほか)読了。Rivalの語源はRiver。アジアの流域水問題作者: 砂田憲吾,CRESTアジア流域水政策シナリオ研究チーム出版社/メーカー: 技報堂出版発売日: 2008/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 第1章 アジ…

生態系を蘇らせる

「生態系を蘇らせる」(鷲谷いづみ)読了。生態学と、その概念の重要性。生態系を蘇らせる (NHKブックス)作者: 鷲谷いづみ出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2001/05/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 10回この商品を含むブログ (6件) を見る 目…