お金を第一に考えない人こそ読むべき本

「金持ち父さん貧乏父さん」読了。
この本のタイトルを見て不愉快になる人ほど、読むべき。

金持ち父さん貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん

 僕はお金が嫌いだ。いや、くれるって言うならもらうけど。そうじゃくて、お金を第一に持ってくるような価値観には共感できないということ。しかし、堤防が決壊するのは、その最も弱い部分だ。人生設計において、お金を完全に無視することはできない。よって、お金のこと、本書の言い方で言えば「フィナンシャル・インテリジェンス」を無視したまま人生を構築すれば、そこが弱点となる。
 お金が第一でない人は、その他のことに価値観を置いて人生を設計する。もし、それがお金がないばっかりに「成功」に至れないとしたら?僕はいやだ。仕事を首になってもそれなりの生活を維持できるのなら、もっとリスクをとる行動ができるはずだ。リスクをとる行動がとれるようになれば、「成功」の可能性は上がる。
 以下、想像の上に想像を積み重ねる砂上の楼閣。この本が出版された後に、サブプライム問題が起きて、「なんだ、やっぱりこの本の著者のやり方は間違ってたんじゃん」と思う人がいたのかもしれない*1が、不動産はあくまでも投資の一例であって、そこを指摘するのはナンセンスだと思う。実際に著者は、「金持ち父さん貧乏父さん」を出版する、という手堅い投資に移行している。印税はもちろん、本書の最後にあるボードゲームの売り上げによる収入はかなり大きいだろう。
 「お金!お金!」と叫ぶようなあり方を好まない人こそ、自分の最も大切な価値を守るために、フィナンシャル・インテリジェンスを高めなければならない。自戒をこめて。

*1:あまりこういった本を読む知り合いは多くないのでよく分からない