めずらしいいきものを見たよ

 近年、徐々に分布域を拡大していると言われる外来種モリガールを初めて確認した。国内には近縁種が多数生息しており、外見はもちろん、分子遺伝学的解析手法を用いても判別することはできない。今回、僕がその存在を確認できたのは、「私、森ガールなんですよ〜」という発言があったためである。
 彼女が言うには、夏は服装の都合上、森ガールではなくなるらしい。なんだそれは。冬毛と夏毛みたいなものか?夏はただのガールで、これからの時期はだんだんと森ガールに移行していくらしい。謎だ。渡り(migratory)をすれば、ずっと森ガールでいられるのではないだろうか?
 僕の周りにも森ガール的な存在がいないではないが、それは少なくとも「10mくらいの木には登れる」「30度くらいの傾斜を登って測量をするときもついてこれる」「チェーンソーを使いこなせる」など、様々なスペシャルアビリティを獲得しているクリーチャ……もとい女性方なわけであって、全然異なる人種だと思われる。
 とまあ、こんな話をしたところ、爆笑されたあげく、「森は森でも、そういう、なんていうかなあ、本当の森じゃなくて、ヨーロッパにありそうなあ、メルヘンな感じの森なんですよ〜」とのたまう。なるほど、ドイツ語では「メルヘン」に「でたらめな」という意味があったと思うから、だいたいあってるんじゃないかな。ええと、なにが言いたいかというと、森ガールも悪くないんじゃないかな、と。(なぜそういう結論になるのか?)