卒業研究をどうするか

 今所属している研究室では、数値計算をするものだと思っていた。研究内容も、だいたい方向性が見えてきていたのだけれど、教授に、どちらかというと社会学っぽいテーマで卒論を書いてほしいというようなことを言われ、若干混乱中。
 その研究の意義は十分に理解できるし、個人的にもそれなりに面白いと思えるテーマではある。混乱している理由は、研究室に入ってから今までやってきたこととの乖離。
 教授がこのテーマを提示した理由は、プロジェクトの一部として必要なこと、僕がその研究室の院に進まないこと、僕の能力適性の3つだ。プロジェクトのために「使われている」ということは問題ではない。テーマを拒否することも可能だ。そういう環境ではある。もしかしたら、卒論まででシミュレーションを行う学生が、ほとんど成果をあげてこれなかったという背景もあるのかもしれない。
 自分の強みと弱みを考えれば、数値計算のためのアルゴリズムを考えて、FortranやらVBAやらでプログラミングをしているよりは、情報編集をしていたほうがクオリティの高いものをつくれる、というのは百も承知している。友人が僕のことを根っからの理系と誤解していることと比べれば、教授のほうが、よっぽど僕の能力が正確に「見えている」ということになる。
 もとより、「本当にやりたいことはできない」と、そう踏んで他大学院の受験を決意し、その後に学部の研究室を選んだ。そういう意味では、それほど卒論に重点は置いていない。そもそも、数値計算に強い興味があったわけではない。ツールとして学んだら役に立つかな、という程度の認識だった。
 問題は、僕が新しいテーマを本当はやりたくないのか、それとも「今までの苦労が無駄になる」という考え方をしているのか、それがよく分からないことだ。冷静に考えて、後者であれば、そんなことはないと言える。それほど時間を割いたわけではないし、数値計算の初歩やプログラミングの技術が無駄であることはないだろう。
 問題があるのは、前者の「実は興味のないテーマだった」というパターンだろう。これは、卒論完成までが苦痛になるか、クオリティの低いものを完成させることになるか、のどちらかになってしまうだろう。それだけは避けたい。
 その辺をもう少しちゃんと考える必要があるようだ。もちろん、興味があるか否か、ということは対象に取り組まなければ分からない。幸いなことに、テーマ選択は強制ではない。そして、決断までの時間も数日はある。というわけで、最近の行動方針「とりあえずやってみる」を適用しながら、しばらく考えてみることにする。


 このエントリは、昨日の夜書いて一晩寝かせておいたけど、まだ特に付け足すことがないので、公開してしまおう。たぶん、この後どうするかはブログには書かないと思うけど、こういう混乱があったということは、記録として残しておく。