ほとんど無害

「ほとんど無害」(ダグラス・アダムス)読了。
パニくれ。

ほとんど無害 (河出文庫)

ほとんど無害 (河出文庫)

 ついに読み終わってしまった……。銀河ヒッチハイクガイド最終巻。いつもの軽快なノリはそのままだが、どこか喪失感を漂わせる登場人物たち。「もうすでに起こっている」とは、そういうことだったのか。どこかこれまでの4作とは違う感じのストーリーに仕上がっている。
 あ、ちなみに「ほとんど無害」(Mostly Harmless)とは、銀河ヒッチハイクガイドに載っている、地球についての記述。みなさんも、人を馬鹿にするときにどうぞ。「彼?いやあ、ほとんど無害だよ?」
 少しまじめなほうで感じたのは、代替性がない、というのが大きく響くな、と。みんな、いろいろなものを失っていたようだ。帰るべき場所と時間を持たなかったり、本来の役目を忘れてしまったり、昔の夢のようなものをなくしてしまっていたり。こんな感慨深い作品になっているなんて、銀河ヒッチハイクガイドシリーズらしくない!いや、でも最後にはふさわしいかな、と感慨深い。

知る必要のないことは知らずにすみますように。知るべきことなのに知らずにいることがあっても、それを知らずにすみますように。知らなくていいと決めたことを知らずにいようと決めたことも、知らずにすみますように。アーメン。