嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈9〉始まりの未来は終わり
「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈9〉始まりの未来は終わり」(入間人間)読了。
「みーくん」の崩壊と再構築。
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈9〉始まりの未来は終わり (電撃文庫)
- 作者: 入間人間,左
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/01/10
- メディア: 文庫
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基本的に、今回は読むのが苦痛だった。9割は「みーくん」の狂った思考を狂った文体で読まされることになる。今までもおかしかったが、今回は読むのをさらに苦痛にすることで、「狂い」を追体験できるようになっている。嘘だけど。
「みーくん」はこれまで「まーちゃん」のためであったからこそ行動できたわけだ。しかし、今回はそうではない。だから、「みーくん」は苦しむことになる。それでも、
これは、『ぼくの事件』だからだ。
何処から何処まで、足掻いて逃げ道を探そうと。端から端まで、徹頭徹尾、ぼくだ。
と、言い切って、自分の問題として捉えて、その上で「みーくん」がどう動くかっていうのがたぶん次巻。こんなにも狂っているのに、こんなにもおかしいのに、自分の問題と直面するという普遍的な問題に還ってくる。いや、日常から遠いからこそ、普遍的な問題を扱えるのだなあ、と思う。前巻の感想でも書いたような気がするけど、次巻に期待。どうか、「嘘だけど」でバッドエンドになりませんように。
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