ツァラトストラかく語りき(上)
「ツァラトストラかく語りき」上巻(ニーチェ)読了。
あえていきなり原典に特攻してみた。
- 作者: ニーチェ,竹山道雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1953/01/13
- メディア: 文庫
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「死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう」って?その辺の安っぽい自己啓発書だろうか?
よく分からないが、きっと違う、と思った。これは、原典に触れなければならない。かたちが変わっても大きな力をもつ「なにか」の原石はきっとすごいものだ。そうにちがいない。というわけで、まず、「ツァラトストラ」である。
という感じで読んだんだけど……まったく消化不良だ。わからない。ニーチェが立てた問いがわからない。そもそもツァラトストラは「超人」を目指しているのだろうか?そうだとして、なぜ?
キリスト教もメッタ打ちにしているが、それが目的とも思えない。こう、道の途中に障害物があったから取り除いた的な感覚しかないし。
おそらく、宗教的な、道徳的な価値観を超越していく人間のことが「超人」であると解釈できる。「善悪の彼岸」というのはそういう意味だと推測もできる。
超人は孤高であるのではなく、あえて人(大衆)の間に出ていくべきだ、いかなければならない、っていうのも分かる。しかし、ツァラトストラはなにが不満なのか、なにが許せないのか?その攻撃性はなにに由来しているのだろうか?
ともあれ、「わからない」ことに少し安心している自分に気づく。そんなに簡単に理解できてたまるか、というか解釈しきれない思考が世の中にはたくさんあるっていう期待が読書のモチベーションのひとつだから。やっぱり読書はこうでなくちゃ面白くない、と思う。さて、まだ上巻しか読んでないので、下巻を読む戦いがこれから始まることになる。