ガラパゴス化する日本
「ガラパゴス化する日本」(吉川尚宏)読了。
「これからの日本をどうするか?」という議論の前提確認のために必要な一冊。
- 作者: 吉川尚宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/02/18
- メディア: 新書
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日本製品のガラパゴス化(企業)
ふつうに「ガラパゴス化」といったときは、これを指す。つまり、モノやサービスの規格がグローバルな流れから取り残されてしまうことである。ガラケー(ガラパゴス化ケータイ)が最もよく知られた例だ。
脱ガラパゴス化に向けて
ガラパゴス化はこの3つの階層で進行しており、どこが脱ガラパゴス化するかで、シナリオはそれぞれ変化する。しかし、どのシナリオを進むにせよ、脱ガラパゴス化のためのキーワードとなるのは以下の6つ。すなわち、リーダーシップ、形式知化、ゲームのルールづくり、水平分業・モジュール化*2、新興国での生態系の構築、ハイブリッド化である。
特に、ゲームのルールづくりは日本人が弱い部分であるように思う。よく、そういった教育がなされていないからだ、という指摘があるが、教育の問題とするよりも、そういった環境が存在しないからだ、と考えたほうがよいかもしれない。
多くの状況で、ルールがすでに与えられており、与える側も「ルールを与えなければならない」という義務感に囚われている。あるいは、ルールの与え方にも問題があるかもしれない。「これがルールですよ」と明示的に与えることは、思考停止をお願いしているようなものである。そうではなく、「最低限の境界条件だけ設定するから、あとはみなさんでルールをつくってください」というような提示の仕方が必要なのではないだろうか。