イナイ×イナイ

イナイ×イナイ」(森博嗣)読了。
いよいよ文庫版Xシリーズ開幕。

イナイ×イナイ PEEKABOO (講談社文庫)

イナイ×イナイ PEEKABOO (講談社文庫)

 表紙がびっくりした。ノベルス版とかGシリーズ文庫版のような表紙でくると期待していたら、まさかのほのぼの表紙。これ、あってるのか?
 本作は森ミステリィらしいシンプルさ。地下牢に幽閉される兄、双子の兄弟、探偵事務所など、ミステリィの小道具はしっかり揃っているが、動機が語られないところや、淡々と物語が解決されるところなど、安定した森ミステリィである。
 森博嗣は出版予定として「全部合計すると15作ですが、出版されるのは14作」と言っている。Xシリーズというのが、作品どうしをクロスさせるという意味だとしたら、GシリーズとXシリーズが同じ作品という可能性があるかもしれない。タイトルを「○○○χ○○○」とかにすれば、ギリシャ文字だし、Xっぽいし。χはギリシャ文字の「カイ」ね。
 とは言え、GシリーズとXシリーズはすでに交わっていて、探偵役の真鍋くんはηなのに夢のようで出てきたような気がするし、できるお姉さま小川さんもレタス・フライで登場していた(こっちはシリーズ関係ないか)。
 あ、というか「2作で1作というトリックではない」みたいなことを言っていたような……ソースが思い出せない。
 本作はキャラクタ紹介というか、伏線張っとくか、みたいな位置づけだろうか。次回にも期待。