コンサル就活対策−ケース問題編
エントリーシートを通過すると、面接がある。面接の前にグループディスカッションがあったり、テストセンターがあったり、筆記試験があったりする場合もあるが、省略。コンサルの面接は、一般的な企業の面接とは少し異なる。もちろん、志望動機や「学生時代にがんばったこと」を訊かれることもあるが、大半は「ケース」と呼ばれる問題が出題される。
ケースとはなにか?
ケース問題とは、問題解決能力を問うため、ある状況(ケース)を想定したかたちの問題である。僕がどんなケース問題に遭遇したかというと、
「薬局1店舗の売り上げを伸ばすには?」
「地方にあるサッカースタジアムの売り上げを伸ばすには?」
「六本木にある雑居ビルの1フロアを無償で借りることができたら何をするか?」
などである。カテゴライズすると、フェルミ推定、「伸ばすには?」系、提案系の3つにわけられる。
まず、フェルミ推定。フェルミ推定とは、「日本に美容室は何軒あるか?」のような、数を概算する問題である。実は、僕はケース面接でこの類の問題に遭遇したことがない。ただ計算できてもコンサルとしてはやっていけなくなりつつあるか、あるいは理系学生にはあまり問う必要がないと考えている可能性がある。フェルミ推定はグループディスカッションやジョブでも応用が効くため、さらっと勉強しておくことが望ましい。東大ケーススタディ研究会のものが平易でわかりやすい。
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!
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最後に、提案系。これは、上に挙げた「六本木にある雑居ビルの1フロアを無償で借りることができたら何をするか?」のようなものである。
どのように対策するか?
どうやら、対策をしなくても解ける人は一定数いるようだ。そういう人は本当にコンサルに向いていると思う。しかし、僕を含め、そうでない人はなんらかの対策が必要である。
問題解決能力が問われているので、答えが重要なわけではない。重要なのは、出題者とコミュニケーションをとり、境界条件を定め、問題を正しく定義し、ロジカルに道筋を示し、現実的な解に辿りつくことである。前提確認→現状分析→ボトルネック特定→打ち手立案→打ち手評価、という流れを辿ることが一般的である。この辺りの基本的なやり方は、東大ケーススタディ研究会のものがわかりやすい。
東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」
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「そうでない人」にとって有効な武器は「フレームワーク」である。フレームワークとは、問題を解く際に汎用的に用いることのできる、解き方の雛形のようなものである。例えば、「5C分析」というフレームワークでは、Company、Cost、Competition、Customer、Channelの5つのそれぞれを検討していく。もちろん、これだけではなにもスゴくないし、どこにも論理的な鋭さは見つけられない。
では、フレームワークの有用性はどこにあるのか。それは、思考をスタートさせるための起点である。すなわち、ケース問題を解く上で、手がかりがまったくつかめず混乱し、手も足も出ずに終わることは回避できる。フレームワークを用いることで、ケースにおける主要なポイントを見落とすことはなくなるのである。こうしたフレームワークを学び、高度な演習を積める本としては、「戦略コンサルティング・ファームの面接試験」がある。
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しかし、アリキタリな回答は望まれていない
で、フレームワークを学び、練習を積んだ学生が多く面接に望むわけだが、そうなると、どのような事態が起きるかは容易に想像がつくだろう。
コンサルタント「薬局の売り上げを伸ばすにはどうすればよいか?」
学生「…と問題を定義します。次に、性別と年齢層で顧客をセグメント分けします。」
コンサルタント(またか……)
となることは目に見えている。直接言われる機会も数回あったが、アリキタリな打ち手、アリキタリなセグメント分け、アリキタリなフレームワークの使い方、そういったものは求められていない。なにより、それでは他の学生と差別化できない。
ので、フレームワークを学んで、なんども素振りをして、実践も積んで、その先に「なにかオリジナルな武器」を用意することが求められる。それは「これだ」というようには言えるものではないし、個人に固有なものだとも思う。それを生みだすためには、素振りと実践を積み重ねるしかない。
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