コンサル就活対策−グループディスカッション編

 グループディスカッションは非情である。コンサルはアウトプットを重視するため、十分なアウトプットができない場合、参加者全員が落とされることもあるのだとか。議論をダメにしてしまう人がいたら、みんなでなんとかしなければいけないし、まとまらないなと思っても、どこかで妥協し、アウトプットに結びつけなければならない。

コンサルのGDとはどのようなものか?

 コンサルのGDが一般的なGDとどう異なるかというと、スピード感が違う。コンサルのGDのあとに、事業会社のGDに参加すると、ちょっと余裕があるかな、といったように感じる。課題はケース問題と同じようなものである。僕がどんな課題に遭遇したかというと、

「ポッキーの売り上げを上げるには?」
「柔道の競技人口が減っている要因を分析し、柔道を振興させるための策を考えよ」
「資料を読み、既存の製品Aを販売するべきか、新商品Bを投入するべきか判断せよ」

などである。分類としては、ケース問題編でまとめたものとほぼ同じなので、そちらを参考にしていただきたい。

対策としては、こちらのサイトが非常に参考になる。
外資系グループディスカッション対策日記〜成長の軌跡と方法論


問題を定義する力

 個人で取り組むケースと異なり、GDのケースは問題を定義する力が必要不可欠となる。どういうことか?例えば、以下のような課題が課せられたことがある。

首都圏の鉄道における通勤ラッシュによる混雑を解消するにはどうすればいいか?

 これに対する打ち手として、「便数を増やす」「バイパスをつくる」「フレックスタイムの導入」といったものは当然ながら存在する。しかし、実際にラッシュを解消するような打ち手しか挙げることができないのは困りものである。
 なぜなら、この課題において解決すべき課題はラッシュそのものではないかもしれないからだ。このような依頼がクライアントから寄せられる状況はどのようなものだろうか。例えば、利用客からのクレームが入っており、それが「通勤ラッシュをなんとかしてほしい」というものだったとする。その場合、利用客が求めているのは、混雑による精神的負担であるかもしれない。そうであれば、ラッシュそのものを解消しなくても、例えば視覚的効果や、利用客に十分な情報を与えることで、問題を解決することができる可能性がある。ラッシュを解消するよりも圧倒的低コストで。あるいは根本的な対策を打つまでの短期の対策として。
 こうした発想が出てこないとしたら、それは問題を十分に定義できていないからである。課題では「混雑を解消するには」などと書いてあるが、それがどういう意味であるのか、ということを明確にしなければ、議論はかみ合わない。これが、問題を定義するということである。コンサルタントとして働く場合は、問題の設定を、クライアントとコミュニケーションをとりながら考える。しかし、GDでは問題の定義を、「なにか質問ありますか?」と言われる時と、メンバー内での話し合いのなかで終わらせる必要がある。これができないと、議論はあらぬ方向に進み、議論は空中分解してしまう。


どのような立ち位置で振舞うか?

 もちろん、GDで問われるのが、頭のキレや論理的思考力であることは間違いない。しかし、忘れてはならないのが、「議論のなかでどのようなポジショニングをとるか」ということだ。これは、評価側への「こういったかたちで議論へ参加できますよ」というアピールであると同時に、「自らが最も実力を発揮できるような環境をつくる」という意味でもある。
 どういいうことか?異論はあると思うが、ディスカッションにおけるポジションは3つに分類される。リーダー、フォロワー、イレギュラーである。まず、リーダーであるが、これはファシリテータとしての能力、つまりメンバー間のコミュニケーション推進するポジション。議論を引っ張っていくのはあくまでも結果としてであり、それ自体が目的ではない。
 次に、フォロワー。フォロワーというと議論についていくだけかと思うかもしれないが、それだけではない。議論の流れを把握しつつ、その流れが正しい方向、すなわち目的に合致しているかを常にチェックする。問題があれば絶対に軌道修正しなければならない。そして、それと並行し、自らの意見や仮説を構築し、然るべきタイミングで議論のなかに投入する。
 GDを通過している人のなかには、上記のようなタイプ以外にもイレギュラーが含まれている。もちろん。リーダーとフォロワーだけで議論は十分に進むが、イレギュラーがいると、議論が面白い方向に進むことがある。まあ、これはなろうと思ってなれるものでもないと思うけど。
 というわけで、ざっくり3タイプあり、どのポジションが自分の最も適するものかをしっかりと見極めるべきである。僕自身は明らかにフォロワーである。リーダーが現れないときに無理やりリーダーとして振舞ってみたことがあるが、散々な結果であった。ことGDに関しては、自分の最も実力の発揮できるポジションにつき、順当に実力を発揮することが王道である。

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