考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

「考える技術・書く技術」(バーバラ・ミント)読了。
なぜ、「考える→書く」でなく、「書く→考える」なのか?。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

目次
第1部 書く技術
 第1章 なぜピラミッド構造なのか?
 第2章 ピラミッドの内部構造はどうなっているのか?
 第3章 ピラミッド構造はどうやって作るのか?
 第4章 導入部はどう構成すればいいのか?
 第5章 演繹法帰納法はどう違うのか?
第2部 考える技術
 第6章 ロジックの順序に従う
 第7章 グループ内の考えを要約する
第3部 問題解決の技術
 第8章 問題を定義する
 第9章 問題分析を構造化する
第4部 表現の技術
 第10章 文章構成にピラミッドを反映させる
 第11章 文章表現にピラミッドを反映させる

 本書は、コンサルティングファームの新人が必ず読まされるとか、ハーバード・ビジネススクールのテキストにもなっているとか言われる、ロジカルシンキング・ロジカルライティングの決定版。
 最初から最後まで、著者の考えは一貫している。それは、「ロジカルであるということはピラミッド構造をとっているということだ」というもの。混乱や誤解のないように相手に伝えるためには、ロジカルであることが大前提である。よって、書く技術もピラミッド構造であることが求められる。ピラミッド構造については、まあ、ググるなり本書を読むなり。
 目次を見てもらうとわかるように、「書く技術」が「考える技術」に先行している。なぜ、「考える→書く」でなく、「書く→考える」なのだろうか?著者の言う「考える」というプロセスは、以下の2つである。

・考えのグループを構成するロジックを見つけ出し、ロジックの順序に再構成すること
・書きだされた考え群の帰納法的な要約を見つけ出すこと

 これらは、書いてからでないと行えない作業である。もちろん、書く前に頭のなかで行なってもよいのだが、書くために必要な頭の動かし方と、上記2つを行うための頭の動かし方は根本的に異なる。「書く」作業はピラミッドをつくる作業であり、「考える」作業はピラミッドを整理・再構成する作業である。
 0から1をつくることと、構造をつくりかえることは、まったく別のことである。だから分けた。順序も「書く→考える」ということになる。
 ともあれ、スゴい本であった。必要なときに引っ張り出してきて読むことができるかどうかはかなり微妙だが、本書を読んでいるかいないかは、ロジックのキレに圧倒的な違いが生じるだろう。