civil engineeringの語源

 土木工学は英語でcivil engineeringというわけだけど、このcivilは「(軍事ではなく)民間の」という意味だ。つまり、軍事に関する工学、すなわちmilitary engineeringに対して、軍事目的でない工学という意味を持つ。この言葉がつくられた当時、土木技術の多くは軍事と直結するものだったことが分かる。ペリーが日本にやってきた際に、軍事的威嚇として測量を始めたのも有名な話。

 それに対しengineerは、大砲などの兵器を開発し、管理するような人たちのことを指していたらしい。18世紀の技術者John Smeatonは、市民に奉仕する職業人の必要性を訴え、civil engineerという言葉をつくりだした。兵器を生みだす技術者ではなく、人々の生活に貢献する存在として、自らを定義した。

 うーん、こういうのかっこいいよね。技術に大きな目的を設定する、というあり方。僕は、技術を自然環境のために利用したいと思う。建前としての「環境」ではなく、空虚な妄想としての「環境」でもなく、人間が持続的に生存する基盤としての「環境」のために。