里山保全活動で植生調査が必要な理由

 アクセス解析によると、「植生調査」で検索してくる人が多い。でも、あのエントリーを読んでもあまり得るものはないので、ちょっと申し訳ない。というわけで、植生調査についてまともな解説を。この書き方、若干デジャヴュ。ちなみに、専門ではないです。

植生調査は「そこに生えている植物の名前を調べる調査」ではない。

 もちろん、どんな種がいるのか、というのは重要な情報の1つだけれど、あくまでも「1つ」に過ぎない。これは、植生調査の目的を考えれば分かる。研究者でない人、例えば技術者や、自然保護活動に参加する人が植生調査をするときの目的は、その場所の環境を評価することだ。
 そこで重要となるのは、「どんな種が」「どんな構造で」「どれくらい」存在しているのか、ということだ。だから、「こんな植物がいました!」というだけでは、ほとんど偶然そのエリアに出ただけかもしれず、「評価」になっていない。こういう例は住民主体の里山保全活動でよく見られる。植生調査は「そこに生えている植物の名前を調べる調査」ではない。環境の1つの側面である植物群落を、定量的・定性的に評価しなければ、保全の方向性も見えない。

種名が分からないと植生調査はできないか?

 僕も、種名はさっぱり分からない。どれくらい分からないかと言うと、僕「これはコナラだね」なんか詳しい人「それクヌギな」というくらいであり、かなり残念な感じだ。しかしまあ、図鑑を見ればだいたいの見当はつくわけであり、そしてなんと言っても、ひとつのフィールドに出てくる種はだいたい決まっている。もちろん、外来種を選択的に刈り取るなど、手を加えていけば、新しい種が出てくることはあるが、そうだとしても、そのスピードはたかが知れている。
 だから、そのフィールドでよく見かける種は、「○○フィールドの植物図鑑」としてまとめてしまえばよい。これで大方の種は判別できるし、分からないものは後日に図鑑で調べるなり、詳しい人に尋ねるなりすれば問題はない。

方法とか

 「詳しい人」に教えを請うのがベストではあるんだけど、そういう人はなかなかつかまらなかったりする。基本はブラウン・ブランケ法というやつなんだけど、あまり検索しても引っかからないね。というわけで、この辺の本で勉強するのがいいと思う↓

植生管理学

植生管理学

あとは、
植生調査のページ
調査マニュアル環境省のマニュアル
植生調査のための情報ディレクトリのページ
この辺も役に立つかも。