卒論発表エピローグ

 よく分からないが、卒論プレゼン最優秀賞的なものをいただいた。なにか金目のものが貰えるらしいのでうれしいが、僕のプレゼンが最優秀になる程度ではこの学科大丈夫か、とは思う。
 ともあれ、こういうのが実力によるものか、と言えば、たぶん違うだろう。
 前日にプレゼン練習をしたのだが、これはたぶん、研究室の友人がいなかったらやっていなかったと思う。彼はギリギリまで結果が出ず、シミュレーションをやっていて、とてもプレゼン練習をやる予定はなかった。
 前日になってようやく形になり、じゃあプレゼン練習するか!ということになった。そういうわけで、先生やら先輩やらを呼んできて、急遽プレゼン練習を始めた。まあ準備とかしたの僕なんですが。僕もそれに便乗することにした。
 彼のプレゼンにいくつかの問題点が指摘されたのはもちろんだが、僕のプレゼンは「研究ストーリーに無理がある」という大問題が発覚した。そこで、急遽スライドを差し替えた、というわけである。当日はどちらも難はなく、順調に終わった。
 "if"を考える。もし、彼がいなかったらどうだろう。プレゼン練習は行われず、僕は研究ストーリーの欠陥に気づくことなく、発表を続けていただろう。そうなれば、プレゼンの評価は決して高くなかったと思う。
 成果は「機会」に大きく依存する。個人の能力というのは重要であるが、それだけではない。偶然、とまではいかないが、まわりの状況がつくるチャンスは無視できない。
 さて、そういう「機会」を自分の側に引き寄せるにはどうすればよいか?いくつかあるが、今回の経験から考えると、「切り捨てないこと」の重要性というか、個人の能力は個人だけに存するものじゃないということの理解というか、そんな感じ。
 「全部オレがやったんだ」と言うのは見苦しいというだけでなく、間違ってすらいる。今の自分が得ている結果は、自分の能力だけによるのではなく、周りの人のおかげだ。