卒論発表アゲイン

 科研費の成果発表でプレゼンをすることになった。内容は卒論と同じでいいらしい。そうか、教授のやつ最初からそのつもりで……などと考えても仕方ないので、プレゼン練習だと思って引き受けることに。
 そういえば、進学先の修論発表も見てきたので、そのあたりの感想も踏まえて、最近気になることを。
 その研究の最終的な目的はなにか?その研究が何の役に立つのか?修論発表では、これがけっこう厳しく質問されていた。土木分野では、技術的な問題解決はもちろんだけど、歴史や地形形成など、どうも直接役に立つかっていうと、しばらく考え込まなければならないようなテーマを扱うこともある。問題意識と目の前の研究との距離が大きすぎる、というか。
 もともと、工学っていうのが問題解決型の学問だから、「技術的なテーマが主流で、それ以外は亜流」的な思想が底を流れている。
 もし、そうでない人々の前で発表するなら、比較的楽だ。と想像する。歴史学を専門とする人たちの前で歴史の研究を発表する分には、「それで?その研究なんの役に立つの?」とは訊かれないことだろう。もしかしたら訊かれるのかもしれないが、根底に「それは無駄だ」と思っている人はほとんどいないだろう。
 反対に、「役に立つものをつくろう」という思想がマジョリティな集団を前に、すぐには役立たない研究の話をすれば、「それが何の役に立つの?」という質問が出ることは避けられない。
 まあ、それでなんでこんなことに注目しているかっていうと、それは僕の卒論がそういうファジィな部分を扱っているからであり、「それで?その研究なんの役に立つの?」の回答には毎日苦労しているからである。毎日は言いすぎだけど。
 科研費の成果発表というものがどういうものかはよくわからないのだけど、今から戦略を練っておく必要がありそうだ。ちなみに、楽観的な見通しとしては、研究費とったあとの成果とかは特に気にしない、という人が多いのでは?と思っている。