坂と地形感覚 

 僕は一応、それなりの自転車ユーザだということになっている。
 通学は基本的に自転車だし、10kmくらいはふつうに自転車行動圏内である。しかし、坂はあまり好きではない。自転車と言っても、せいぜい数万のクロスバイクだし、ゴリゴリ坂を登るのはちょっと遠慮したい。
 新居に移り、自転車で行動してみて、まず気づいたのは、坂がどこにあるのかさっぱりわからないことである。
 知らないものはわからなくて当たり前?
 いや、これが前の土地ではそうでもなかった。僕の脳内地図は川を中心に構成されていた。川に平行に河岸段丘があるから、大きな坂は段丘崖に沿って存在する。だから、坂が嫌いな軟弱人間である僕は、できるだけ段丘崖をクロスしないように、川に平行に進んでいけばよかった。
 このローカルライフハックは、新たな土地では脆くも崩れ去った。あちこちがデコボコと凹み、凸……あれ?へこむの反対はなんて言うんだ?まあ、いいや。土地の起伏が想像できないので、思わぬところで坂にであったりして、ストレスフルなわけである。
 さて、どうするべきだろうか?
1、坂を快感に感じるようになる
2、地形図をしっかり見て戦略を立てる
3、電車の奴隷になる
いや、どれもやる気ないな。地形図は興味あるけど。
 それにしても、こういった地形の感覚みたいな話は、あまり共感を得られない。都市なら電車が街どうしを繋ぎ、地方では車に乗っていれば坂は気にならないからだろうか?
 昔はそういった感覚を持つ人が多かったものと想像する。それが失われているとして、悪いことであるとは思わないけどね。とりあえず、地形に敏感になるには、自転車がオススメです!(無理やりまとめるな)