伊能忠敬の旧宅に行ってきた

記念館にはランドサットによる地図と、伊能忠敬の地図との比較があるが、これがすごい。多少は膨らんでこそいるものの、形状や海岸線の緻密さは、ほとんど肉眼ではわからないくらいだ。

 初めて日本全国の地図を作ったことで有名な伊能忠敬。なんと全国の測量を始めたのは55歳。それからほとんど毎年測量を行ない、ほとんど死ぬまで測量し続けたらしい。
 なんというか、日本地図作成は晩年の仕事であったということだ。年表を見ても、55歳以降はびっしり埋まっているのに、それまではほとんどスカスカである。
 しかも、1年で東北地方を測量する、とかちょっと体力的につらいような気がする。僕なんか川を数回横断測量しただけでヘトヘトになってしまうのに……
 第二の人生、と呼ぶのに相応しい人生を送っていたようだ。30代から天文の勉強を始め、後の蝦夷地測量の機会を逃さず、最終的に全国の測量を行なうことになった。
 伊能忠敬は、なぜ測量したのだろうか?測量が、好きだったのだろうか?志だったのか?それとも、学問としての好奇心だろうか?今となってはそれを知るすべはなく、ただ、その美しい日本地図が残るのみである。