絶滅した奇妙な動物

「絶滅した奇妙な動物2」(川崎悟司)読了。
奇妙さは理論では消えないのだ、と。

絶滅した奇妙な動物 2

絶滅した奇妙な動物 2

 ポケモン図鑑を彷彿とさせる……というか、「1」が赤の表紙で、「2」が緑の表紙って、明らかに意識してるよね。
 それにしても、いきものは本当に「奇妙」である。空間的、時間的に自身から遠くなればなるほど、奇妙だと感じるいきものも多くなる。
 少し知的に面白い読み方は、なぜその奇妙なかたちが生存していくうえで有利なのだろうか、を考えながら読むことである。
 このように、「なぜ奇妙なのか」という好奇心が出発点となり、生物学が進展したと想像できる。しかし、生物学的に説明をつけることで、奇妙だったそれらの生物は奇妙ではなくなっていくような気もする。つまり、「それが生存していくうえで有利だから」という理論を積み上げていくことで、「奇妙」だったはずのいきものは"reasonable"なものとなり、「奇妙さ」を失っていくのではないか。そうした危惧があった。
 だが、そんなものは杞憂と気づく。シダズーンはいつみても吹き出してしまうような格好をしているし、異常巻きのプラビトセラスは「いや、それはおかしいでしょ(笑)」と言いたくなる。そうして、センス・オブ・ワンダーは理屈では消えないのだ、という少しばかりの安心感が心に残る。
 あ、蛇足だけど、身長比較の女性イラストが妙に凝ってるのはなんなのだろう?いや、僕は好きだけど、そういうの。次はもう少しお姉さん系からカワイイ系にシフトしていただけると、うれしいです。

※本書は、本が好き!経由で、ブックマン社様から献本頂きました。ありがとうございます。