だあれ?だれなの?

「だあれ?だれなの?」(今森光彦)読了。
子供向けであったか……。

 「絶滅した奇妙な動物」を読んだときに、「空間的、時間的に自身から遠くなればなるほど、奇妙だと感じるいきものも多くなる」と書いた。
 空間的に遠い、というのは距離が離れていて、接触する機会が少ない、ということもあるが、スケールが異なる、というのもこれに含まれる。
 スケールの異なるいきものというのは、やはり奇妙である。なかでも昆虫は一番身近で、ちょっと視点を変えさえすれば、いつでも見つけられる「奇妙ないきもの」である。
 本書は、そんな奇妙ないきもの「昆虫」の拡大写真を集めたもの。気に入ったのは、「コスズメ」と「ハエトリグモ」の拡大写真。ハエトリグモってこんな顔してたんだなぁ……
 今年は国際生物多様性年であり、国際会議COP10も開催される。関係者と話すと、「生物多様性」という概念をどう伝えるべきか、という相談をされることが多い。人が言葉に振り回されているのではないか、という気がする。簡単なことだ。本書のような本を数冊積み上げて、野外に出かけていけば良い。伝える、ということは定義を述べることとは違うのだから。

※本書は、本が好き!経由で、東本願寺出版部様から献本頂きました。ありがとうございます。