イネ科ハンドブック
「イネ科ハンドブック」(木場英久ほか)読了。
「雑草という草はない」というが、じゃあその名前は?
- 作者: 木場英久,茨木靖,勝山輝男
- 出版社/メーカー: 文一総合出版
- 発売日: 2011/03/04
- メディア: 単行本
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もとより、「いきものを見分ける」ということは、そのまま「自然を知る」ということである。何の知識もなしに自然を見渡したとき、そこにあるのは「自然」という一括りのぼんやりした風景である。そこに、「分類」という人間の手法をもって観察したときにはじめて、生き生きとした自然の多様性が見えてくる。
本書も、そんな自然の見方のツールとなる一冊である。特筆すべきは、群生する様子、1個体、部分拡大(小穂、小花など)という3スケールの写真が揃っていることだ。これでどのようなシチュエーションでも同定できる。
そういえば、どこかで懐かしさを感じたのだが、同じシリーズの「樹皮ハンドブック」には一時期大変お世話になった(冬でも樹木を同定できる!)。本書も、イネ科っぽいんだけど、なんかよく分からないね、という草本同定対策として出版されたのがよくわかる。フィールド観察をするときの、「かゆいところに手が届く」シリーズと言えるかもしれない。フィールド経験が豊富な人ほど、そのありがたみのわかるシリーズである。
※本書は、本が好き!経由で、文一総合出版様から献本頂きました。ありがとうございます。