デザインより、手入れ

 種を蒔いたハツカダイコンが芽を出した。発芽してから知ったのだが、どうやらスジマキと言って、スジ状に溝をつけて種を蒔くのが正解らしい。僕は本当に農学部だったのだろうか。

 アパート1階の庭は僕の献身的な手入れによって、謎の白い花が見頃を迎えている。アカメガシワの新芽に守られて育ったワスレナグサのブルー、カタバミのピンクがアクセントになり、よろしい眺めである。外来パイオニア種刈りは大変であったが。

 アクアリウムをやっていたころも、水槽内だけで生態系を完結させようとしていたのを思い出す。失敗したけど。

 こういうことをしていると、自分は自然を手入れして、一定のかたちに持っていくのがすごく好きなのだな、と思う。外側から大きな力をかけて改変するのではなく、自然の持っている力の向き先をコントロールして、導く。日々の変化と、ある種の偶発性。それらを期待して、見守るのはなにより楽しいことだ。