土質力学の参考書

三力の参考書シリーズ。土質力学(地盤工学)の参考書を紹介してみる。だいたい下に行くにつれて難しくなる。

土質力学とは

 地盤工学とも。頭に「環境」がついていても、やることは同じ。構造物の基礎である土についての力学。砂防分野の人も関連性が高いと思う。土質力学では、参考書ごとに書いてある内容に結構幅があるように思う。しかし、ここに挙げた参考書は、どれも基本的な内容を押さえている。

参考書

絵とき土質力学

絵とき土質力学

 黄色い表紙の絵ときシリーズ。比較的易しい。計算が主体の演習問題もついており、公務員試験対策に向いている。土質力学では、土をどのように捉えるのか、ということが難しいので、それを理解するには易しめの参考書からスタートしたほうが良いのかも。挿絵は「絵とき水理学」ほどのインパクトはない*1
土質力学 (基礎土木工学シリーズ)

土質力学 (基礎土木工学シリーズ)

 僕が主力として使っていた参考書。原理の説明などは少し弱い気がするが、サンドドレーン工法やプレローディング工法の説明が載っているなど、現場の技術に詳しく言及してくれるところがうれしい。*2計算を主とした演習問題がついており、公務員試験から大学院試験まで幅広く対応できる。問題の解説も詳しい。著者いわく「著者と周波数が合う方なら、理解しやすい」。
地盤力学 (ニューパラダイムテキストブック)

地盤力学 (ニューパラダイムテキストブック)

 ニューパラダイムと言うだけあって、他の参考書より新しい記述も多い。内容には高度なものも含まれるが、説明が比較的詳しいため、なんとか理解できる。また、他の参考書と異なるのは、著者が複数人であるということだ。これにより、章ごとの独立性が高く、どこからでも手をつけやすい構成となっている。
土質力学演習 (基礎土木工学シリーズ)

土質力学演習 (基礎土木工学シリーズ)

 演習用。僕が専門でないせいか、かなり難しく感じた。上2つと異なり、問題は証明・導出・考察などが多く、公務員試験と言うよりは定期試験や大学院入試向け。この参考書の問題がすんなり解ければ、相当なレベルだと思う。著者は朝倉書店から土質力学を出しているので、本書と組み合わせると理解しやすいと思う。
土質力学

土質力学

 二版ではあるが、記述がやや古く、網羅する内容も決して多くない。しかし、本書の特徴は数式よりも文章に重みを置いて説明していることで、僕のように数学に弱い人間にはありがたい。また、土質力学の本質的な理解には、非常に有効と思われる。大学院入試には良い。本書を執筆するのは、相当レベルの高いことだと思われる。


参考:伊藤教授の土質力学講座
ちょっとした知識の確認に便利。

関連:
三力の参考書 - けれっぷ彗星
構造力学の参考書 - けれっぷ彗星
土質力学の参考書 - けれっぷ彗星
水理学の参考書 - けれっぷ彗星

*1:え?どうでもいい?いや、こういう些細なところにモチベーション維持の鍵が……ないかも。

*2:実験写真などが豊富に載っているところも評価したい。